一瞬で熱さも吹っ飛んだような事件でした。
最初わたしはこんなにあっさり死んではいけないと蘇生を願っていたのですが、途中から考えが変わりこれでよかったのだと思いました。
そう思ったのは、植物人間になっても存在感や影響力を保持している人がいるやに聞いたことを思い出したからです。
もういいと思いました。
もうそんなことで社会の空気を停滞させてはいけないと思いました。
これでよかったのです。
死んでいようが生きていようがどんな背景があろうが政治的生命が絶たれたことだけは確かですから。
小沢さんが「長期的政権が招いた事件だ」と言ったことを泉代表が注意したということですが、こういうのも言論の封殺だということがどうして分からないのでしょうか。。
「長い政権が社会を歪め、格差が拡大し、国民の政治不信を招き、その中から過激な者が暗殺に走った。社会が不安定になるとこういう事件が起きる。」
小沢さんのこの発言のどこが不都合なのでしょうか。
泉代表は事件の背景も分からない段階で言うべきことではないと言ったそうですが、いったいだれに気兼ねをしているのでしょうね。
常識の範囲なら何を言うのも自由です。
もっと自由に言うべきなのです。
それを封じるような風潮がすでに全体主義です。
それに、わたしはいくら党代表であっても大先輩の小沢さんに注意するということの方が気になります。
教えを乞うべき大先輩も一年生議員と同じ扱いというのは道義的にどうなのでしょう。
言論を暴力で封じるのはゼッタイに許せないと皆が口を揃えて言いますが、そもそも政治の世界に「言論」なるものがあったでしょうか。
言葉に対して言葉で答えるのが言論ですが、わたしたちは一方の言葉に対して嘘しか帰ってこないような場面ばかり見せられてきました。
政治を私物化し、嘘に嘘を重ねて国会も司法も機能不全に陥れたのはだれですか。
民主主義への挑戦だと言いますが、本気で言ってるのですか。
国会で嘘の証言をし、官僚に噓の証言をさせ、公文書を改ざんさせて一人の人間を自殺に追い込んだのはだれですか。
日本の歴史にこんな人間はいませんでした。
そういう意味での歴史的な人間は、やはり最後も歴史に残る死に方をしました。
事件は個人の怨恨によるものでしたが、だからと言って決して政治と無縁ではありません。
かれは小泉竹中改革にによって切り捨てられた世代です。
未来を奪われた世代です。
また、直接の引き金になった宗教団体が日本の中枢に深く関わって日本の政治を動かしてきたことが事件の遠因にあると思います。
過日も、その宗教団体と政治の闇が白日の下にさらされなければ日本の再生はないと書いたところです。
宗教団体との紐帯になることで政界に影響力を行使していたのがだれかは言うまでもありません。
その扇の要に当たる人間(フィクサー)が死んだということで、これから政治の世界も否応なく変わらざるを得ないと思います。
これからの変化は早いと思います。
どんなことがあっても暴力はいけないと言います。
わたしも99%それに同意しますが、1%だけは留保します。
政治が腐敗し社会が不安定になってああいう事件が起きたと言った小沢さんですが、別の見方をすれば、こういう事件が起きて初めて政治家や上級国民に緊張が走るのです。
日本には暗殺がないから安心だと言った竹中平蔵も安閑としていられなくなるのです。
余りにも国民は無視され愚弄されてきました。
何をしても国民は黙っているのでかれらは増長するばかりでした。
多くの国民を犠牲にして上級国民だけがわが世の春を謳歌してきました。
竹中平蔵も国のお金を盗み放題でした。
犯人にその自覚がなくてもかれを行動に走らせた遠因は明かに政治の非情と腐敗でした。
わたしは政治的テロだと言ってもいいと思います。
わたしの留保した1%はテロリズムの肯定です。
ロシアがウクライナに侵攻したことを皆が非難しました。
プーチンがどんな思いで侵攻に踏み切ったかなどだれも知ろうともしませんでした。
言論を暴力で封じてはいけないと言うのですが、西側はその言論にも応じなかったのです。
そういう場合あなたならどうしますかとわたしは問いたいのです。
日本では苛めで自殺する人が後を絶ちませんが、国に自殺はできません。
だから、ロシアは窮鼠猫を噛む行動に出たと言ったのです。
本気ほど強いものはありません。
ペットをどうしても飼えなくなった時にどうするかという記事で書いたことですが、わたしはいつも究極を考えるようにしています。
殺されると分かっても抵抗も反撃もしないのか、それでも殺すより殺される方を選ぶと言うのかとわたしは問いたいのです。
それでも暴力(戦争)を全否定するですかと。
みんなが、言論を暴力で封じるのは民主主義への挑戦だとか言っているのを聞いていると、ほんとうに疎ましくなります。
そう言っていれば安全だし安心だと思っていることが浅ましく思えるのです。
なんでそんな手垢のついた紋切型の考えに安住していられるのかと。
恥かしいです。
病気で辞めた人が、この酷暑の中3、4か所の選挙区を回って応援するというのは凄いことです。
ジョンソンが居ても立っても居られない風情でウクライナに飛んだのと同じで、何か追い立てられるものがあったとしか思えません。