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谷間の百合

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2017年 08月 15日 ( 1 )

いまいちど見たいもの。

陽が差してきましたが、先ほどまで雨が降っていました。
わたしが記憶する限り8月15日の雨は初めての経験です。
広島、長崎、終戦と続く日々は、ちょうど高校野球とも重なり、テレビに映る甲子園の熱狂と喧騒、それに球児や応援団の顔に滴るぎらつく汗がいやが上にも体感温度を押し上げます。
高校野球は中断することはあっても、ほぼ未来永劫続くと思われ、従って、いくら静かな夏を希望してもその願いが叶うことはないでしょう。
きょうは甲子園でも正午から1分間黙祷を捧げるのでしょうが、この日くらいは休んでほしい。

いまはすべてのスポーツに関心がありませんが、これでも相撲やプロ野球に熱を上げていたことはあるのです。
このごろ、見ないので分からないのですが、球児たちはいまも甲子園の土を持ち帰っているのでしょうか。
みながひとかたまりになって両手で土を掻き寄せ、それを持参した袋に詰めている姿は、あまりにもみっともないと感じるのはわたしだけでしょうか。
一校もそれを中止した学校はないのでしょうか。
それとも、あれが感動的な行為に映るのでしょうか。
そもそも、わたしは「記念に」という心理が嫌いです。
どうせ死んでいくのに「もの」は邪魔になるだけです。


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父はあらゆるスポーツが好きでした。
野球、ボクシング、プロレス、相撲、それにお正月は花園球場にラグビー観戦に行くのが恒例でした
兄たちは、ルールも分からないくせにと嘲っていました。
ある年、父が甲子園に連れて行ってくれたことがありました。
そのとき、わたしはある高校の応援団長に一目で恋をしました。
剣舞を取り入れた振り付けだったのでしょうか、かれは蝶のように舞い、蜂が刺すようなしぐさで緩急をつけ縦横無尽に飛び回っていました。
うっとりするほどしなやかで且つ凛とした動きでした。
いまいちど見たいものがあるかと訊かれたら、わたしはその場面を見たいと言うでしょう。
まさに、あれは日本精神の神髄を表現していました。

雨が止んだ途端、蝉がいっせいに鳴きだしました。
降り注ぐその声はなぜか鎮魂に相応しい。
この日だけは、声を限りに鳴け。


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by michi-no-yuri | 2017-08-15 10:43 | Comments(0)