人気ブログランキング | 話題のタグを見る
ブログトップ

谷間の百合

taninoyuri.exblog.jp

原爆への怒り悲しみをどこにぶっつければいいのでしょうか。

原爆祈念式典では平和の鐘、鎮魂の鐘が撞かれますが、その音はわたしの耳にはどこまでも虚しくこだまするだけです。
毎年この時期になると胸がモヤモヤして苦しいまでになります。
あの地獄を表現する言葉を見つけられないということの外にどこに怒りを向ければいいのかが分からないからです。
語り部たちは地獄の様相を語り、二度と戦争をしてはいけないと言いますが、原爆投下した国への怒りを語ることはほとんどありません。
だれに怒りをぶっつければいいのでしょうか。
ボタンを押したトルーマン大統領ですか、原爆を投下した飛行機の乗員ですか、あるいは、アメリカという国にですか。
人類が自らを破壊するために開発したとしか思えない原子爆弾をアメリカは広島に落としました。
もともと日本が悪いのだと言われても、日本の悪と相殺するには桁が違いすぎます。
原爆記念館を訪れた、元米軍関係者とおぼしき老人は、原爆使用は「コスト的によかった」と信じられない言葉を口にしました。
犠牲者はアメリカの軍事費や人命を守るためのコストカットの対象にされたということです。
日本人を人間だと思っていなければ言えないことです。
しかし、こういうことを書くと、みんなブーメランとなって日本に返ってきます。
元日本兵は中国人を人間だと思っていなかったから殺しても良心が痛むことはなかったと言いました。
良心が麻痺するということが戦争のイチバンの「悪」です。


原爆への怒り悲しみをどこにぶっつければいいのでしょうか。_c0243877_10502246.jpg


アメリカは原爆にどれほどの威力があるかは実験でよく知っていたでしょうし、その被害が凄まじいものになることも分かっていたはずです。
それでも、アメリカは日本に原爆を投下しました。
その後すぐに医療団が広島に入りましたが、それは治療が目的ではなく、人体実験の検証のためのデータを収集するためでした。
こう書いても、またブーメランが返ってきます。
日本が中国でした人体実験です。
当事者たちがソ連の法廷で淡々と事実を認めているのですから、否定するのは愚かなことです。

モヤモヤの原因は別のところにあることに気が付きました。
敗戦で日本はアメリカの援助がなくては生きていけなかったことは事実でしょうし、天皇もそれを望まれました。
しかし、その後日本は信じられないことですが、東京大空襲を指揮したルメイ準将に勲章を贈るまでにアメリカへの忖度を強めていったのです。
原爆を落とした乗員に勲章を贈るに等しい行為です。
日米同盟が結ばれ、日本はアメリカの核の傘に守られるという虚構が公然と語られるようになりました。
自分たちを核で殺したアメリカの核の傘に入るとは、なんというパラドクスでしょう。
しかし、わたしはアメリカを憎むことなど望んでいません。
ただ、少なくとも日米同盟は対等な関係であってほしい。
一度はテーブルにのぼったという米軍基地撤退をふたたび視野にいれてほしい。
そうすることで犠牲者の焼けつくような苦しみ、怨念に報いられるとは思いませんが、従米だけは駄目なのです。


原爆への怒り悲しみをどこにぶっつければいいのでしょうか。_c0243877_10504781.jpg










×
by michi-no-yuri | 2018-08-07 10:55 | Comments(0)
名前
URL
削除用パスワード
<< 元号を非科学的、不合理、非経済... 杉田水脈さんが使った「コミンテ... >>