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谷間の百合

taninoyuri.exblog.jp

「坂の上の雲」のほとんどは嘘なのだそうです。

いろいろなことが立て続けに起きて公文書改ざんの問題が後ろに隠れてしまった感がありますが、わたしはそこをないがしろにするということは国家や歴史への責任放棄であり国家の根幹が崩壊することだと思っています。
きょうの「正論」で古田博司さんが改ざんは編集だという驚くべき見解を示しています。
編集でクロがシロになるわけはなく、そんな詭弁を弄してまで安倍政権を擁護したいのでしょうか。

戦争の責任論も含めて、なぜ戦争に至ったのかの根本の問題にも公文書の隠蔽、改ざんがあったのではないかというわたしの疑問に答えてくれたのが、東京新聞に連載されているという半藤一利さんと保阪正康さんの対談でした。
日露戦争後、陸軍も海軍も正しい戦史を作ったそうですが、公表したのは日本人がいかに勇敢に戦って強国ロシアをやっつけたかという物語、神話としての戦史だったと半藤さんは言っています。
正しい戦史は全100冊3部作られその内2冊を海軍が保有し、1冊が皇室に献上されたということですが、終戦時に海軍の2冊は焼却されてしまいました。
皇室の一冊が、昭和天皇が亡くなる直前に国民に見てもらうようにと防衛庁に下賜されたということを聞いて、半藤さんは飛んで行って見たそうです。
そこには全然違うことが書かれていたそうです。


「坂の上の雲」のほとんどは嘘なのだそうです。_c0243877_1058378.jpg


わたしは司馬文学というか司馬史観が嫌いで読んでいないのですが、司馬さんは正しい戦史を知らずに巷間流布している歴史というか伝承をもとに「坂の上の雲」」を書いたということになります。
いまの、日本スゴイ、日本スバラシイ現象に、司馬史観が少なからず寄与しているかもしれないと思うと罪作りな話です。
(しかし、いくらあれをフィクションだと言っても、一度脳裏にこびりついた人物像のイメージは一朝一夕に消えるものではありません。)
勇ましい話や美談に当時の少年たちがどれほど血湧き肉躍る思いをしていたかは想像に余りあります。
しかし、洋の東西を問わず、どの国も神話、英雄譚を必要としているのも事実です。
バルチック艦隊にまつわるエピソードはほんとうであってほしいし
秋山好古の作戦が功を奏したのだと思いたいではありませんか。
こういう国民の感情を、国家としても裏切れなかったのかもしれません。
人情としてもほんとうのことが言えなかったのも理解できます。
だからこそ、正しい戦史が重要な意味をもつのではないでしょうか。
終戦時にほとんどの公文書、史料が焼却されて歴史に空白が生まれたのですが、その空白を埋めてきたのが左翼史観であり、その後の「日本会議」系の「美しい日本」史観です。


「坂の上の雲」のほとんどは嘘なのだそうです。_c0243877_111230100.jpg









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by michi-no-yuri | 2018-04-26 11:01 | Comments(0)
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