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谷間の百合

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七日 その二  「ル.モンド」特派員のインタビュー記事から。


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─国会では先日、衆参両院の予算委員会で佐川宣寿(のぶひさ)前財務省理財局長が証人喚問を受けましたが、「公文書改ざん」はメスメールさんにとっても驚きでしたか?

メスメール 正直に言うと、あまり驚いてはいません。むしろ「改ざんの事実が明らかになったこと」に驚いたと言ったほうがいいかもしれません。朝日新聞の報道によって大きく動き出したわけですが、私はこの問題に関してこれまで自分が見聞きしてきたことのすべてが「日本の民主主義というシステムが、あらゆるレベルで深刻な病に侵されている」ことを示しているように思えてなりません。

─あらゆるレベルで、とは?

メスメール 政府も官僚も国会も司法もメディアも、そして国民もです。まず、政府と官僚ですが、森友問題は安倍首相率いる政府と、財務省という行政機関、官僚組織の非常に歪(いびつ)な関係に端を発した問題です。その過程で財務省が公文書改ざんという、常識では考えられない行為に出たことが明らかになった。

近代的な民主主義国家において、公文書の信頼性とは「行政の信頼性」を根元から支える文字通りの「根幹」であって、それを省庁が組織的に改ざんするなどあり得ない。それは行政の信頼そのものを損なうことを意味するからです。

第二に国会です。財務省が改ざんした虚偽の文書によって国会が欺(あざむ)かれたにもかかわらず、国会はこの問題を徹底的に追及することができていません。自民・公明の与党はもちろんのこと、野党ももっと厳しく、もっとしつこく、政府や財務省の責任を追及すべきです。

第三に司法ですが、一連の出来事に対して「司法の独立性」を示せていないように思います。昨年7月に補助金詐欺容疑で逮捕された籠池夫妻は、国有地売却問題では起訴すらされないまま9ヵ月も拘留され、息子さんですら面会が制限されているという異常な状況が続いていますが、これはどう正当化できるのか? まるで政府にとって不利な証言をしかねない人物を司法が「人質」に取っているような印象です。

そもそも、改ざんの事実が明らかになり、それを財務省も認めているにもかかわらず、佐川氏も含めて、それに関わった可能性のある人たちが未だに自由な身のままでいるのは信じ難いことです。

─検察は現在、任意で捜査を進めているようですが…。

メスメール 民主主義、官僚制の根幹を揺るがす大事件が起きているのに、不正行為を働いた人たちが未だに「野放し」であるのはおかしいでしょう? この状況では証拠隠滅の恐れもあるし、他の関係者と口裏を合わせることもできる。財務省内ではこの問題に関連して自殺者まで出ているのですから、証人の身柄の保護という意味でも、検察が強制権のある形で捜査を進めるべきだと思います。

さらに言うと、「第4の権力」とも言うべきメディアもこの問題を徹底的に追及できていない。もちろん、改ざんを最初に報じた朝日や毎日、東京新聞などはかなり熱心に報じていますが、そうでない新聞も少なくない。TVももっと多くの機会でこの問題を取り上げ、ディベート番組なども流すべきだと思うのですが、現実はそうなっていません。

そして、最後に国民です。この問題についてもっと大きな声で怒りや疑念を訴えるべきなのに、デモに集まるのはせいぜい数千人規模でしかない。これがお隣の韓国なら、全国で百万人近い国民が怒りの声を上げてもおかしくないと思います。これほど酷い問題が起きても、日本人には権力に対して自ら異を唱え、それを目に見える行動で示すことを「良しとしない」雰囲気があるように感じます。

民主主義の基本はひとりひとりの国民が「主権者」としての自覚を持ち、自分たちの声を政治に反映させることに他なりません。ところが、日本は政治に無関心な人が多いし、関心があっても自分の意見を積極的に発信しようとしない人が多い。若い人たちに「民主主義の危機だ」と言っても「よくわからない」と答える人が多いし、高齢化で日本社会全体が保守的になっているようにも感じます。

政府も官僚も国会も司法もメディアも国民も、日本の民主主義を構成するすべての人たちが表面上はそれぞれの役割を果たしているように見えて、実際には「民主主義というお芝居」を演じているだけなのではないか?という皮肉すら言いたくなってきます。

それは森友問題に限ったことではなく、加計学園問題、前川喜平元文科次官の講演に文科省が介入した問題、そして南スーダン派遣に続いてイラク派遣でも「なかったものが出てきた」自衛隊の日報問題などについても共通しているように思えます。

─日本の民主主義が危機に陥っているのは、国民にも理由がある…と。ところで、佐川氏の証人喚問を見た印象は?

メスメール まず感じたのが、彼が国会に対して敬意を欠いているという点です。財務省理財局という、かつて自分が責任者を務めていた組織が公文書の改ざんという絶対にあってはならない行為を組織的に行ない、改ざんされた文書で「国民の代表」である国会を欺いた。その事実を認め、自分がその責任者であることをハッキリ認めているにもかかわらず、佐川氏からは国会への敬意が全く感じられませんでした。これは大変に酷い、許しがたいことだと思います。

証人喚問で佐川氏は、安倍首相や昭恵夫人、財務大臣らの「指示」を明確に否定しました。それはおそらく事実なのだと思いますが、表面上の事実であっても「真実」ではないと思います。常識的に考えて、公文書改ざんのような行為を首相や財務大臣という要職にある人物が具体的・直接的に指示することなどあり得ないからです。

では、それを間接的に示唆する何かがあったのか? あるいは、いわゆる「忖度(そんたく)」で財務省の官僚が政権の意向を感じ取って公文書改ざんにまで手を出してしまう両者の関係性が存在したのか?というのが「真実」に関わる部分であるはずです。

この一件を見て私が思い出したのは、17年前の2001年にあった、NHKのドキュメンタリー番組「ETV2001」の内容に自民党が干渉したとされる問題でした。従軍慰安婦の問題など「日本の戦時性暴力」を扱ったドキュメンタリー番組がなぜか放映前に自民党の政治家にチェックされ、当時の官房副長官だった安倍氏がNHKの役員を呼び出して「事情を聴いた」後、局上層部の指示で番組内容が大幅に再編集されたと言われている事件です。

この時も安倍氏は編集のやり直しを「指示」したわけではなく、その内容に「疑問」を示しただけなので、いわゆる検閲にはあたらないと主張していたのですが、現実には政府の意向を忖度してNHKの上層部が番組内容の変更を指示してしまったわけでしょう。おそらく今回の財務省による公文書改ざんでも、それと同じようなことが起きているのではないかと思いますが、仮に具体的・直接的な指示がなかったとしても、今述べたような「真実」があるのだとしたら、それは民主主義にとって重大なダメージを与えることになります。

一連の出来事が示すのは、「日本の民主主義の深刻な病」そのものです。これと同じことがフランスで起きれば、間違いなく政府は吹っ飛んでしまいますし、当事者は確実に処罰されることでしょう。そして、国民は権力に向けてもっと大きな怒りの声を上げるはずです。

日本の民主主義が本当に危機的な状況にあるということを、多くの日本人は気づいていない。私にはそう思えてなりません。


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by michi-no-yuri | 2018-04-07 11:13 | Comments(4)
Commented by 能勢の赤ひげ at 2018-04-08 19:58 x
 やはり  成熟した 歴史ある民主主義を有する国の

記者の発言は  全うですね

 A を逃がすことなく  罪におとすところまで

見続けていきたいと思います

 森友の土地 建物がどうなっていくのか

 森友が  今井 冬柴 の中立ちで りそな から借りた
 21億の動き   大阪維新のからむ者たちへの分配

 加計でいえば

 今治の獣医学校 いつ閉校になるか
 教師不足??  生徒の学力 偏差値??
 医療事故の発生?? もし仮に 卒業生がでても
   国家試験 実際 通るの??

岡山理科大という もとの学校   低偏差値で 普通の学生なら 入っても仕方のない 大学ともいえない代物ですね
  どうなるのでしょう

系列で  淡路にも ありますね
 今まででも  定員割れですが
  どうでしょう   つぶして
    土地ころがし に使うのかな??

関東で 一番最後にできた 医学部 医科大 も
 A  の  お友達物件ですね

 国試にまで  手を入れるのだろうか
   下駄をはかせる 
  何でも やりそうな  低俗な酷いものたちですからね

 怒りをもって  よく見ていきましょう
Commented by michi-no-yuri at 2018-04-09 20:19
能勢の赤ひげさま
コメントありがとうございます。
こんな地方にいては、いくら耳をそばだててもデモのシュプレヒコールが届くことはありません。
近くであれば参加したいと思のですが、腰痛で3分と歩けないのが恨めしいです。
前にも書いたことがあるのですが、ある町を車で通りかかり信号待ちしていたとき、ふと横の電柱に「打倒安倍」と書かれたポスターが目に入り衝撃を受けたことがありました。
何十年も時代を逆戻りしたような感覚に囚われたのは、ポスターの字体が放つ「革命前夜」のような匂いでした。
デモよりよほどインパクトがあるように思いました。
しかし、いまそういう行為は違法なのですね。
歩道に押し込められたデモなんて世界に例がないでしょう。
恥かしいことです。
きっと、その内国民の怒りが臨界点を突破すると思いたい。
そういえば、京大名物の「タテカン」が禁止になりました。
どんどん息苦しくなっていきますね。
Commented by 能勢の赤ひげ at 2018-04-09 20:33 x
 谷間の百合さま

お返事有り難うございました

 このブログに至り  読ませていただくようになり 日も浅く  まだ  谷間の百合さまのことは  よくは存知得ておりません

 追々  過去の書かれていることも  読ませていただきたいと思っております

 僕は  団塊の世代の一年目
  昭和22年4月2日 から  昭和23年4月1日までの
  学年になります

 僕自身は  ノンポリラディカル  で 政治 学園紛争には  ほとんど関与せず  という立場でした
 また  ぼくたちの医学部は 土地柄か 実利的で  授業辞退 を一時間だけ経験したのみです

 そのときには  京大では 一年間 授業ボイコット  ストをやっていたのですが   大層ちがいがありました
 教えていただいた  先生方  教授 助教授 講師 助手 など皆様とも 仲良くやっていましたね

 樺さんのなくなられた 安保闘争
  新左翼 赤軍派 などが うたった暴力革命

 これらが  身近におこっていたのを  感じながら
 生きてきました

 暴力を肯定するわけではありませんが

 国の劣化が これほどまですすむとは
   怒り狂っている毎日です

 安保  安田講堂  などに 表現したあのエネルギー

 は ???
どうなってしまったのでしょうね

 虚偽 虚偽 隠蔽 があたりまえ
   誰も  責任をとらない
      酷いかぎりです

 天網恢恢疎にしてもらさず

   早く そうなってほしいですね

  また  我々のできることはーーー
Commented by ミルキー at 2018-04-15 14:59 x
ルモンドのジャーナリストの発言に、驚いています。
フランスでも、数年前に、公文書の改ざんがあったにも関わらず、まったく問題視されなかったことがあったからです。
日本では、民衆が怒って、国会に集まっていますね。
フランスの改ざん事件について、簡単に説明しますと、シリア駐在フランス大使が、シリアで起こったデモについて、平和的に行われていて問題ないという報告書を政府に提出したのですが、
それをアラン ジュペ首相が改ざんしたのです。シリア大領が、デモをしている人達を攻撃しているという内容にしたのです。フランス大使が訴えましたが、その件は、それで、消えてしまい、アラン ジュペもおとがめなしでした。これは、重大なことでしたが、フランス人は自分の生活に関係ないと動きません。その後、ジュペは、ボルドー市の市長に過半数で選ばれ、その後、大統領選にも立候補しました。
フランスも日本と同じで、民主主義など、妄想にしかないと思っています。
(ロスチャイルドの)ルモンド紙の日本批判に対して、耳を傾けて、襟を正すことは大切ですが、ルモンド紙は、日本が嫌いでしょう。
(でも、フランス人の一般の人は、日本に好意的ですので。。。)
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