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谷間の百合

taninoyuri.exblog.jp

飼い犬と野良犬。

ドゥテルテ大統領は総理との首脳会談で、いままでアメリカから犬のような扱いを受けてきたと胸の内を明かしたそうです。

「犬のように、アメリカからパンを遠くに投げられる。問題があるたびに『援助を止める』と言われる。」

わたしは、これを聞いた総理がどう思ったのか、そっちの方が気になりました。
きっと、総理は同じ境遇だとは思わなかったでしょうね。
日本は餌をちらつかせられるのではなく、よく躾けられた犬として、なんでもご主人の言うことを聞き、毎年20兆円以上の米国債を買ってきたのですから。
言うことを聞かないとどうなるかを、体に叩き込まれていたのです。

フィリピンが野良犬なら日本は飼い犬かなと思って可笑しくなりましたが、大統領は鎖につながれていたと言っていますから、室内犬と屋外犬と言うべきでしょうか。

「犬のような扱い」と聞いて、わたしは植民地が長きに亘って受けてきた屈辱と辛苦を思いました。
欧米列強は植民地の住民を同じ人間だと思っていませんでした。
非礼な暴言だと受け止められている大統領の言葉は、溜まりに溜まった屈辱への怒りが爆発したのだと思いました。
「われわれを尊敬しろ」とは、繋がれていた鎖を食いちぎった瞬間の雄叫びだったのだと思いました。


飼い犬と野良犬。_c0243877_103814100.jpg


種類や扱いは違っても日本も同じ犬なのです。
わたしは、その自覚がないことが日本の病巣だと思っています。
わたしは、みんなが忘れていますが、日本が犬だということを忘れたことはありません。
犬だという自覚がないから、鎖も見えず、まして、鎖を食いちぎって自立しようなどと思う人間もいません。

政府は大統領を国賓級のもてなしをしました。
日本でアメリカの悪口を言われるのを恐れたのでしょうか。
総理には、アメリカとの橋渡しをする用意があったということです。
しかし、大統領は「アメリカと決別する。米軍は出ていってもらう」と宣言したのです。
そういう大統領にたいして、とりなしてもいいとは、なんという卑屈さでしょう。

沖縄の人は「二年以内に米軍には出て行ってもらう」という言葉をどんな思いで聞いたでしょうね。
日本だってできないことはないのです。
宣言すればいいだけです。
でも、言えないのです。


蕗(ふき)ごはん、美味しかった。
飼い犬と野良犬。_c0243877_10413135.jpg











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by michi-no-yuri | 2016-10-29 10:43 | Comments(0)
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