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谷間の百合

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「原発さえなかったら」

去年の9月に楢葉町は避難解除になりましたが、それが科学的データに基ずく安全宣言でもないことや、避難先での生活が定着したことなどから帰町したのはわずかに5%に留まったということです。
しかも、そのほとんどは高齢者です。

家だけがあっていのちの気配がまったくない町は異様で別次元の世界です。
これほど悲しく衝撃的な光景はありません。

わたしは、NHKスペシャル「ゼロからの出発」を見ていて、かってその家の中や通りで日常的に交わされていた会話や笑顔を想像していたたまれないような気持ちになりました。
人がつくったものだけが残り、そこに入るべき(入っていた)魂がなくなったということです。

番組で、町の女性職員が、所在を確かめるために一軒づつ訪ねていった先で一人住まいの90才近い男性に会います。
鍬を手に、百姓ほど面白いものはないと言っておられましたが、込みあげてくるものを抑えられなくなったのか急に嗚咽されました。
気持を察した女性職員が「大丈夫だよ。みんなだんだん帰ってくるから」と慰めておられましたが、その女性はそれを信じておられたのかもしれませんが、そう思わないわたしは老人の孤独や悲しみに粛然とするばかりでした。


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「原発さえなかったら」と壁板に走り書きをして自殺した酪農家。

天皇陛下は「平和であったならば」死ぬことはなかった人々の死を悼まれました。

わたしは、日本人にこの二つの言葉をこころに刻んでほしいと願わずにはいられません。
それなのに、現実はそういう気持ちを嘲笑うかのように反対の方向に突き進んでいます。

ヒロシマやナガサキ、それにフクシマも運が悪かったということですか。
日本人は反省や悔恨や思いやりのこころを持たない野蛮人なのですか。

最近、ほんとうに恐ろしい話を聞くようになりました。
「9条」と書いたTシャツや、そう見ようと思えば「9」に見えるかも?というブローチを警官や国会の衛士が見咎めるようになったことです。
いつから、日本はこんな恐ろしい国になったのでしょう。

「原発さえなかったら」という悔恨ほど苦しく辛いものはありません。
もう二度と元に復することはないからです。


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by michi-no-yuri | 2016-01-25 11:17 | Comments(7)
Commented by ツユクサ at 2016-01-25 22:08 x
こんにちは。昔は原発が平和のシンボルのように言われていましたね。「原爆は恐ろしいが、原子力の平和利用は未来を切り開く」と。
太陽や夜空の多くの恒星は普通の意味で「燃えて」おらず、水爆と同じ核融合の原理で輝いています。太陽は地球の109倍の直径を持ち、33万倍も重いため、中心部の温度は1500万度にもなり、水素の原子核がヘリウムの原子核に変わり巨大なエネルギーを放出します。地球上でこんな高温を作るには、今のところウランの核分裂、つまり原爆を使うしかありません。常温の核融合も長く研究されていますが、なかなか難しいようです。
やはり人類は知ってはいけない秘密を知ってしまったのかもしれません。
Commented by michi-no-yuri at 2016-01-26 11:56
ツユクサさま

コメントありがとうございます。
「原子力明るい未来のエネルギー」という原発PR看板は撤去されましたね。
それはともかく、いつか放射能を無化できる方法が見つかると思われますか。
何も分からないわたしは、フクシマに、人びとの声や笑顔が戻ることを夢見ているのですが、それこそ夢のような話なのでしょうか。
Commented by ツユクサ at 2016-01-26 22:54 x
放射性物質は不安定な原子核で、放射線を出しながら安定な原子核に変わります。放射能が半分になる時間を半減期と呼び、物質ごとに異なります。時間さえ経てば消えてゆきますが、10万年もかかるのでは大変です。せめて数百年まで短くできないか、各国で研究されているようです。それも原子炉内の話で、飛び散ってしまうと取り返しがつきません。
宇宙飛行士やパイロットはともかく、地上では自然の放射能は問題になりません。人間という生き物が意思をもって放射性物質をかき集めると、ヒロシマやフクシマの悲劇が起こります。六ヶ所の再処理工場は最近知りましたが、もっとヤバそうです。目を覚ましましょう!
Commented by michi-no-yuri at 2016-01-27 20:54
ツユクサさま

コメントありがとうございます。
記憶に間違いがあるかもしれませんが、以前、フランスの原発から出た核廃棄物をタンカー?に乗せて六ヶ所村に運んでいるのを取材した番組を見たことがあります。
なんでフランスから?と思いました、、
再処理工場の再処理の意味が分かりません。
あそこはそんなにヤバイのですか。
IAEAの要請でつくられたものでしょうか。
フクシマの人を避難させない方針もIAEAの指示だったというのはほんとうなのでしょうか。
それよりも、処分場予定地の住民はみんな強硬に反対していますが、緊急事態法が成立したら、もうだめかもしれませんね。
Commented by ツユクサ at 2016-01-28 18:38 x
IAEAは日本の核武装を疑って監視しているのではないでしょうか。「再処理」は、わざと分かりにくくしているのだと思います。核廃棄物にはさまざまな物質が混ざっていますが、その中からプルトニウムを取り出すことを「再処理」と言っているようです。
プルトニウムを原料にすると、ウラン原爆より強力な原爆を作ることが出来ます(水爆には及びませんが)広島に投下されたのはウラン原爆、長崎はプルトニウム原爆でした。長崎の被害が広島より小さかったのは人口や地形の違いによります。
あの日、原爆は小倉(今の北九州市)に投下予定でしたが、悪天候のため第二目標の長崎に変更されました。予定通り小倉に投下されたら、広島を超える被害が出たと思われます。京都も原爆目標の一つでした。B29が京都を爆撃しなかったのは文化遺産の尊重などではなく、原爆でまとめて破壊する予定だったからです。
Commented by ツユクサ at 2016-01-28 18:49 x
六ヶ所村に運んでいたのはフランスの原発ではなく日本の原発で出た廃棄物で、日本がフランスのラ・アーグ再処理工場に処理を依頼していたのを返還したのではないでしょうか。ラ・アーグ再処理工場では1980年に事故が起きましたが、当時は詳しい情報が発表されなかったようです。六ヶ所村に日本中の核廃棄物が集められ、プルトニウム原爆が作られるようになったら悪夢です。フランスのように外国の廃棄物処理まで受け入れるのでしょうか。
Commented by michi-no-yuri at 2016-01-30 07:47
ツユクサさま

コメントありがとうございます。
そういうことでしたか。
曖昧な記憶で書いてはいけませんね。
往往にしてそれが独り歩きすることがあり、ほんとうに気をつけないといけないことです。

もう、フランスに頼まなくてもよくなっているのですか。
いま、フクシマの被害は隠蔽されていますが、時期がきたら、フクシマ初め東北が世界の核のゴミの処分場にされるのではないかと戦々恐々です。
きのう、高浜が再稼働しましたが、福井県知事が核のゴミは他県でと言っていて、どういうこと?と思いました。
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