総理は、モンゴル並びに中央アジア歴訪に出発しましたが、臨時国会から逃げてまで行くには最悪のタイミングでした。
習主席のイギリスでの最上級のもてなしに世界が目を奪われたところだからです。
中国人の好みに合わせて急遽つくられたのか、馬車の屋根には金色に輝く彫刻が施されていました。
あのような馬車を見たのは初めてでした。
パレードの隊列や宮中晩餐会のきらびやかさもかって見たこともないものでした。
あれを見た、とくに中央アジアの国がどう思ったかは言うまでもないでしょう。
わたしは、「日没する国」の悲哀を感じてショックを受けました。
日本では相変わらず、中国の崩壊が近いようなことを言う人がいますが、今にも崩壊するすると言われてきた北朝鮮が健在であるように、中國という大国がそう簡単に崩壊することはありません。
もし、崩壊したらその影響は世界におよぶでしょうし、日本がイチバンその被害を受けることになるのに、なんでそれを喜ぶのでしょう!
他人の国のことを言っている間に、確実に衰退し、再び被占領国になろうとしているのがわが日本です。
中國はイギリスに原発の建設やインフラへ7兆円融資し、2万5千人の雇用をもたらすそうです。
わたしは、一人のイギリス人が言った「問題ない、金は金だから」との言葉からかれの複雑な胸の内を覗き見たように思いました。
中國からの援助は潔しとしないけれど、「背に腹は代えられない」という本音です。
背中を守るためと言って、大事な五臓六腑がおさまっている「腹」を犠牲にはできないという意味ですが、わたしは、総理が「背中」という抽象的な国家を守ろうとして、「腹」である国民のいのちを犠牲にしようとしているとしか思えないのです。
総理は国民のいのちや暮らしよりも、東京裁判史観からの脱却というイデオロギーに固執しています。
そのために戦争法案を成立させ、多国籍企業に日本を売り渡すことになっても知ったことではないのです。
総理は日本人が生きていけなくなるような条約を結ぼうとしています。
イデオロギーで国民のお腹がふくれることはありません。
イデオロギー(宗教も含む)による戦争は愚かで果てしのないものです。
イデオロギーに凝り固まった人間が起こす戦争ほど残虐で悲惨なものはありません。
総理はまさにそういう戦争をしようとしているのです。
日本のためでも、国民のためでもない戦争をしようとしています。
どうしてそれが分からないのですか!
みんな頭がどうかしてしまったのですか!
曽野綾子さんは「お友達内閣」のどこが悪い?と言われましたが、内閣だけでなく、自民党員がみんなお友達で、一色に染まっています。
一色に染まった議員は外国にたいして居丈高な態度に出ます。
戦前、軍人が増上慢になったことが戦争の大きな原因になったのではないかと思いますが、またその轍を踏もうとしています。
歴史が繰り返すというのは、人間が変わらないという意味です。
日本人があの戦争から何の教訓も得ていないことほど衝撃的なことはありません。
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