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谷間の百合

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二十日 その二  聞こえない足音

月曜日のNHK「クローズアップ現代」は作家の山崎豊子さんを取り上げていました。

わたしは著書を読んだことはありませんが、戦争は絶対してはならないという一念で執筆してこられたということでした。


先日は啞蝉坊さんのブログに、泥たまりに上半身を突っ込んだ状態で死んでいる数人の日本兵の写真が貼られていました。

これまでも、波打ち際に死屍累々の日本兵の写真を何度も見たことがありました。

遺族は戦死の公報を受けとるだけで、息子や夫がどのような状態で死んだのかを知ることはできません。

運よく生還した戦友からその最期を知ることができた遺族がいたとしても稀有な例だったと思われます。

もし、写真に写る遺体が息子や夫だとしたら、親や妻はその悲しみや苦しみに堪えられるでしょうか。

わたしは堪えられません。

しかし、もっとも苦しいのは、堪えられなくても生きていかなければならないことです。

そうして、耐え難い人生を生きてきた人がたくさん存在してきたのです。

法案が成立したら、もうこのようなことは書けなくなります。

国家が戦争に向かうとき、戦争に反対を唱えることは反国家的行為になります。

戦前がそうでした。

同じことが繰り返されるのです。

「いつかきた道」「軍靴の響き」という新聞の投書欄でよく見かけたフレーズもいまは見ることがなくなりました。

戦争の足音が聞こえないことが不気味です。


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by michi-no-yuri | 2013-11-20 21:44 | Comments(0)
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