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谷間の百合

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曽野綾子さんに憑りついた狂気。

曽野綾子さんの新刊本「危険な本音」の広告の見出しにあった「『年寄りをどう始末するか』を国も医療界もなにもしてこなかった」という文言にわたしはわが目を疑いました。
始末するとは処分するということであり、ついに年よりは犬猫の殺処分と同等の扱いになりそうです。
「危険な本音」ということですから、明らかにそういう意図で書かれたものでしょう。

相模原事件のとき、総理は全力で真相解明に取り組むと言ったきり口を噤み、産経派というか、「正論」の執筆陣からも事件についてのコメントは一切ありませんでした。

植松容疑者は、自分は権力者に守られているから死刑にはならないと嘯いているそうですが、これはかれの妄想から出た言葉というより、権力者と何らかの繋がりを持つ人間に使嗾されて事件を起こしたことを暗示しているのではないかと思うのは考えすぎでしょうか。

それにしても、曽野さんの日頃の言論も植松容疑者の言っていることと大差はないのです。
社会のお荷物になるような人間は早く死ねということです。

これがクリスチャンだというのですから驚きです。
キリスト教は自殺は禁じても、人殺しは認められているのですか。
わたしは、悪しきキリスト教徒の冷血と狂気の典型を曽野さんの上に見ずにはいられません。
もしかしたら、それが宗教というものが内包する究極の姿なのかもしれないとさえ思います。


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きのうの「正論」の執筆は曽野さんでした。
何をバカなことをといつも思うことが、また繰り返されていました。

「(ほとんどのマスコミが)日本人がいかに貧富の差が激しく、貧困で結婚もできず、子供も産めないでいるか。それは政治の堕落と弱さのせいだ、などという言い方をするのを見ると、私はおかしくてたまらない。」
「私の周囲に『今日食べるものがなく』『寝床に雨が漏れ』『電気も水道もない家に住んでいる』人を知らない。」


アフリカのどこの国を指して言っているのか知りませんが、その国はどういう歴史と文化を持ち、どんな成り立ちをし、どんな社会の仕組みを持っているのですか。
日本がそういう国と同じ状態になるには、どれくらい時間を遡ればいいのですか。
人々が営々と築いてきた深い伝統や文化を持つ日本と、「文化果つるところ」にあるような国とをどうして同列に論じられるでしょう。
曽野さんには、日本人が歴史の中で流してきた涙や汗や血、それに日々の営為に込められた喜び、悲しみへの想像力がひとかけらもありません。
日本という国や同胞への「愛」が決定的に欠けているのです。

それに、曽野さんが見落としているというか故意に見ようとしない現実があります。
日本にも、今日の食べものにも事欠く人々が増えているということ。
料金が払えないと、いのちそのものの水道や電気が止められてしまうような世帯があるということ。
水道がないのが当たり前の国と、超文明社会の国で水道が止められるのとどちらがより悲惨だと思われますか。

それも自己責任だと言われますか。
なぜ政治の堕落を見ようとしないのでしょうね。
権力志向体質や選民思想が邪魔をするのかも。
いまの貧困は人工的に作られてきたのです。
あなたの信奉する総理が、アメリカや経済界の要請を受けて、非正規という奴隷を増やしてきたのです。
そんなかれらにどんな未来があるというのですか。


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記事の中に、東電の川崎火力発電所のことが書いてありました。
稼動していないのに人手とお金を掛けるのは無駄ではないかという質問にこういう返事が返ってきたそうです。

「万が一、災害があったとき、この火力発電所は首都圏に一番近いので一時間以内に発電が可能です。
首都圏の指揮命令系統を守る重要な拠点ですから、こうしていつでも使えるようにしているのです。」


3.11でそれが見事に役にたったのです。
すっかり信用を失墜させた東電ですが、こういうところは評価したい。
日本は本来こういう国なのですよ。
それを水道や電気の無い国と比較するのはムリがあり過ぎます。

最後に、日本の特性は職人風実直さにあったのに、その美徳が崩れてきていることに恐怖を感じると書かれています。

「日本人の誇りだった誠実と職人気質を失った姿を見ると、私はわが国への将来に暗澹たるものを見る。彼らは仕事の発注者や株主や消費者を騙しただけではない。日本という国を詐欺の容疑で売った新しい売国奴に等しいのである。」

曽野さんは、いったいどこを見ているのでしょう。
通説とは反対に、国民という森だけを見て、いちばん肝心な大元である政治という「木」を見ていません。
そこにいるのが仲間や同類だから故意に見ないのですか。
それに、最後に言っておきますが、あなたのように社会に毒を流すより、社会のお荷物になるほうがいいに決まっているのです。
そのお荷物が、優しさや助け合いという、人間にとって決して忘れてはいけないかけがえのない感情を呼び覚ましてくれるからです。


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by michi-no-yuri | 2016-08-16 10:26 | Comments(0)
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