きのう夕、テレビに「天皇、生前退位」というテロップが流れたとき、わたしは驚き以上に不思議な感慨を覚えていました。
その前日の夜、予想していた通りに、選挙終了とともに一気に湧き出してきた憲法改正の声を遠くに聞きながら、わたしはある思いに取りつかれていました。
もう、天皇におすがりする以外にない。
もう、日本を救えるのは天皇だけだという切迫した思いです。
そのとき、わたしは、天皇がなんらかのアクションを起こされるような気がしたのです。
政治的な行動、発言は出来ない天皇のアクションとはどういうものかと考えていたときに、頭に浮かんだのが、天岩戸の故事でした。
安部政権のしていることは、スサノウノミコトの乱暴狼藉、暴虐に匹敵するというか、それ以上のことなのです。
ほんとうに、それとは比べものにならないくらいのことを安倍政権はしているのです。
「生前退位」という言葉は浮かびませんでしたが(天岩戸に)「おかくれになる」ということがそのことだったのだと思って驚いたのです。
ニュースをきいて震えたと言っていた人もいましたが、わたしが震えていたのは前日の夜のことでした。
宮内庁が「報道されているような事実は一切ない」と否定したそうです。
天皇は慎重を期されたのでしょう。
宮内庁に握り潰されることを予想して、独自のルートを使って直接国民に伝えようと思われたのではないでしょうか。
宮内庁の、この木で鼻を括ったようなコメントから見えてきたのが、天皇を天皇とも思わない「君側の奸」どもの顔でした。
天皇は、自分たちに断りなく、勝手なことをしたという怒りがあのそっけないコメントから感じられるのです。
宮内庁もまた「日本会議」に固められているのでしょうね。
わたしは、この「生前退位」が天皇の精一杯の安倍政権への抗議だということが広く世上に流布してほしいと願っています。
退位されると元号が変わります。
改元には次のような理由があるそうです。
君主の交代によるもの。
吉事を理由とするもの。
凶事に際して、その影響を断ち切るためのもの。
天皇がどれを念頭におかれていたかは、言わずもがなのことですが、これは、天皇による革命とはいえないでしょうか。
天皇には人権がないとはいえ、安倍政権が天皇にしようとしたことは、これ以上はないというくらいの人権蹂躙でした。
それは天皇個人が耐えれば済むというものではありませんでした。
まさに
「朕、何ヲ以テカ億兆ノ赤子ヲ保シ、皇祖皇宗ノ神霊ニ謝セムヤ」
ということです。
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