日本刀の鞘と抜き身を交差させた図柄の自衛隊のエンブレムを見て
わたしは大げさではなく血の気が引く思いがしました。
最高指揮官がアレで、自衛隊のトップがアレですから、もう何でもありの感覚になるのでしょうが、わたしは自衛隊よ、頭を冷やせ、調子に乗るなと一喝したくなりました。
まるでアラビアの盗賊、いまならさしずめISIS団のエンブレムなら分かりますが、これが21世紀の、しかも戦争を放棄して70年間平和だった国のエンブレムというのですから泣くに泣けない気持ちになります。
海外の人は眉をひそめるでしょう。
とくに中國の人々にとっては、悪夢を呼び覚まされて許せない気持ちになるでしょう。
最高指揮官の独りよがりが自衛隊に伝染してイケイケドンドンになっているとしたら、これほど危険なことはありません。
ほんとうに、あの戦争は何だったのか、あの310万人の犠牲は何だったのかと呆然とするばかりです。
小林よしのりさんが「浜矩子氏は自主防衛が嫌いらしい」という記事で、いったい浜さんは国防を何と思っているのかとコキ降ろしています。
わたしは、この70年間平和だったのは米軍基地が抑止力になっていたからだという論には半信半疑です。
どちらかというと、戦争放棄をうたった憲法が日本を守ったのだという思いのほうが強いのです。
原爆を落とされ、無条件降伏をし、二度と戦争はしないと誓った国を侵略しようと思う国があるとは思えないからです。
スイスが永世中立国であるのと同じような意味です。
日本の戦争放棄は世界の人が周知していたのに、一瞬にしてその信頼を無にしたのが去年成立した安保法案でした。
浜さんの真意は分かりませんが、わたしは総理初め、総理の周りの人間は「隠れ自主防衛論者」だと思っています。
日本を再び欧米列強と肩を並べる強い国にしたいと、総理はそう言っていたではありませんか。
しかし、現実は、戦わずして日本は負けているのです。
国内が無法状態だからです。
それでも戦争する、できると思っている総理のアタマは完全に狂っています。
そして、日本人もまた、あのエンブレムの異常さが分からないくらいに静かに狂っていっているのです。
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