わたしの知っている保守の論客で安倍政治を批判している人はいません。
すべて、総理はよくやっている、いままでだれも為し得なかったことをしたと賞賛する人ばかりです。
郵政民営化で小泉元総理を痛烈に批判した西尾幹二さんが安倍総理を批判するどころか肯定しておられるのは不思議なことです。
郵政民営化に反対した人がTPPに賛成しているのと同じ矛盾です。
郵政が初期の癌ならTPPは死が避けられない末期の癌だというのに、そういう認識はないようです。
(先日、大阪のテレビでTPPについて実に分かり易い説明がありました。盲腸で700万円というものです。
堤未果さんが、東京では言えないことなので、ぜひ大阪から拡散してほしいと言われました。
「盲腸で700万円」をキャッチフレーズにすればいいと思います。)
わたしは長い間、本心は反米の総理がなぜアメリカの要求をすべて受け入れるのだろうと不可解でした。
しかし、最近、漸く分かったことがあります。
総理は、これまでの首相がなぜ短期政権で終わったのか、その理由がアメリカの要求を受け入れられなかったからだということを熟知していたのです。
では、自分はアメリカの要求をすべて呑んで長期政権を目指そうと思ったのではないでしょうか。
その目的はいうまでもなく、憲法改正であり、東京裁判の見直し、A級戦犯の名誉回復です。
これが「日本をトリモドス」ということなのです。
いわば、個人的な野心のために、日本を売ったのです。
中國と戦争になれば、米軍が徐々に後退して自衛隊が前面に出て戦うことになるのも承知しているでしょう。
むしろ、そのときこそ「わが軍」が真価を発揮するチャンスだと思っているのではないでしょうか。
もう、まともな思考のできる人間ではありません。
そういう人間に、保守派の知識人は喝采をおくるのです。
これはいつか見た風景です。
ヒットラーを熱狂的に支持し、賞賛したドイツの知識層です。
ドイツが専門の西尾さんも、易々とヒットラーの亡霊に魅入られてしまわれたのでしょうか。
稲田政調会長が、東京裁判の見直しを言ったのは、おそらくそれが「日本会議」の掲げる一番の政治課題だからではないかと思われます。
しかし、改憲がアメリカの望むところでだとしても、東京裁判の見直しは許さないでしょう。
まして、ロシア、中國と対立している状態では不可能です。
もう、日本がどうなろうと、日本人が死に絶えようと眼中にないのかもしれません。
憑りつかれたように「日本をトリモドスゾ、日本をトリモドスゾ」とこころのなかでうわ言のように呟いているのでは、、、?
きのう、たまたま見た記事でしたが、天皇陛下の今年の歌会始の御製をつぎのように解釈している人がいました。
「日本が危ない、日本に夕闇が迫っている。
いまこそ戦後レジーム(東京裁判史観)の「根本」に「鎌」を入れ、断ち切る必要がある。」
解釈は自由ですから反論しようとは思いませんが、では、天皇が憲法を守ろうと言われたこととどう整合させるのでしょうか。
憲法は日本人の手になるものであり、それに、知日派の外国人が協力したと言われたのです。
調べたら、天皇の言われた通りでした。
×