戦争法案が19日未明成立しました。
わたしは最後まで見ていました。
前日の18日は、天皇陛下がそこからの歴史を勉強するように言われた満州事変が勃発した日でした。
わたしは、福山さんなどの声涙合せくだるがごとき熱弁にもうわの空で別のことを考えていました。
日本は大変なことになる。
この日から日本の風景はどんどん色褪せていく。
どんな色になるかは、写真や映像でよく知っています。
わたしは戦争で死んでいった人のことも考えていました。
だれの声にも耳を貸さない、どんな声も魂に届かない人間によって日本は戦争に雪崩れこんでいきます。
だれの声も聞かない人間に、靖国の英霊の声が聞こえるはずはありません。
そんな人間が英霊に哀悼と尊崇の念を捧げると言うのです。
国民を戦争に駆り立てるための手段に英霊を利用するのです。
憲法を守って国が滅んでもいいのかと言う人がいます。
究極の選択として、わたしはそれでもいいと言います。
今のままではどっちみち滅びる運命です。
ましてその戦争は自衛のためではありません。
アメリカのためにお金も命も差し出すような戦争です。
逆にわたしは、憲法を守って国が滅んでもいいのかと言う人に質したい。
安部政権は憲法にのっとって平和を守る努力をしましたか。
隣国と友好や共生の関係を築くために努力をしましたか。
逆に、憲法前文に謳われている精神を踏みにじるようなことばかりしているのではありませんか。
多くの国民が世界に誇る宝だと思う憲法を、総理は「みっともない憲法だと言ったのです。
また、「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼してー」という文言に異常に反応する人がいて、中國は平和国家でないからもうこの条文は無効だと言い放つ人(青山繁晴など)までいます。
憲法の精神が全く分かっていないのです。
太郎さんが国会で「アーミテージ、ナイレポート」を取り上げたとき、わたしは度胆を抜かれた思いがしました。
その驚きの中には、国会議員の先生方はみんな知っていることだと太郎さんが前置きで言ったことも含まれます。
そんな腐ったような人間が国会議員では、国や国民に救いはありません。
しかし、太郎さんが命がけで告発したにもかかわらず、デモで反米がコールされることはありませんでした。
勘繰り過ぎかもしれませんが、「9条守れ」「アベ政治は許さない」という声を一色にして人びとの意識が反米に向かわないように誘導した人間がいるのではないかと。
太郎さんの告発に対して、アメリカが何もしないということは考えられないのです。
いままで、世界中でデモを組織したり、工作したりしてきたアメリカが何もしないなどということがあるでしょうか。
中谷大臣が可決後「安全保障体制へ一歩も二歩も進む」と言いました。
進むのは戦争体制です。
これほどの国民の声を無視して平然としていられるのも、集団的自衛権行使の日米共同のシナリオが万全で揺るぎないものだからなのでしょう。
これから急坂を転がるように、国民の眼前で目まぐるしく戦争前の風景が展開していくことになります。
どこまで国民は抵抗できるでしょう。
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