世に花の好きな女性はたくさんいます。
ほとんどと言っていいと思います。
わたしも好きは好きですが、自らを花好きと言えるほどの人間ではありません。
野に咲く花は美しい。
それと同じくらいわたしが惹かれるのが、ベランダや小さな花壇や玄関先の花なのです。
きっと、そこに人の営為とささやかな幸せをみることで、自分も幸せになれるからだと思います。
だから、女性が社会に出て輝くようになると(ウソだけど)そういう幸せとは縁がなくなります。
そうなると、たちまちベランダの花も玄関先の花も萎れて枯れていくようなイメージがあって暗い気分になります。
花を育てているのは、ほとんどが専業主婦かお年寄りです。
そういう人々を社会になんの貢献もしていないという目で見る人がいますが、社会への貢献ってなんですか。
奴隷のようになって闇雲に働くことで貢献した気分になるのですか。
しかし、彼女らの営為はそんなお金に換算できるような貢献ではないのです。
現に、わたしが幸せな気持ちをもらっているように、社会に潤いを与えることで世の中を明るくしてくれているのです。
しかし、こんなささやかな幸せなど政治は目もくれません。
簡単に権力という土足で蹂躙します。
戦争になると真っ先に軍靴で踏みにじられるのが野に咲く花です。
貧しき人々です。
わたしは、ベランダや玄関先の花が活き活きとしている間はまだ平和なんだなと思い、いまその有難さをしみじみ味わっているのです。
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