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谷間の百合

taninoyuri.exblog.jp

人間は矛盾に満ちた存在です。

きのうの富田尚弥選手の長い記者会見のほんの一部だけを見ました。

わたしもですが、かれが韓国でカメラを盗んだという一報を聞いて違和感を持った人は多かったと思います。

報道用のカメラということですが、よほどのカメラマニアか転売が目的という以外、いまどき、それも日本を代表する選手がカメラを盗むだろうかという違和感です。

わたしはここで冤罪かどうかを論じようとは思いません。

ただ、マスコミでのコメンテーターやツイッターなどでの彼に対する疑問や批判に対して思うことがありました。

一連の流れの中でいくらでも無実を主張できる機会があったのに、それをしなかったことへの批判が多くありました。

わたしはそういう批判が嫌いです。


人間は合理的な生きものではありません。

矛盾に満ちた存在です。

自分のことも分かりません。

そういう批判は、社会的経験を積んだ人間が社会的経験を積んだ人間に言うことです。

自分のとったある行動について合理的、論理的な説明ができる人がいるでしょうか。

あのときなんであんなことをしたのだろう、言ったのだろう。

或いは、あのときこうすれば良かった、こう言えば良かったと思うのが人間です。

わたしなんかその塊(かたまり)です。



電車から
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かれは異国の地で、突然警察に連行され訊問されるというトンデモナイ非日常の世界に投げ込まれたのです。

きょうの新聞によると、韓国の警察は罪を認めなければ日本に帰れなくなるなどとは言ってないということです。

しかし、それは言った、言ってないの世界で意味がありません。

仮にそれと同じ言葉を発していなくても、それに類する、あるいはそれを想像させるような言葉ないし雰囲気はあったのだと思います。

突然警察に連行されて冷静に状況判断できる人間がいるとは思いません。

まして25歳の青年です。

みんなといっしょに日本にかえれなくなることがどれほどの恐怖だったかは想像に余りあります。

旅行慣れしている人は考えもしないかもしれませんが、わたしなんかはよく考えます。

異国でのアクシデント、突然の暴動やクーデターに巻き込まれて日本に帰れなくなることをよく想像します。

わたしには恐怖そのものです。

とにかく、かれは一刻も早く日本に帰りたい一心だったのでしょう。

記者会見では、韓国に残ってでも無実を証明しようとしなかった自分が悪いと言っていましたが、
そういう反省も多くの批判も「後だから」言えることです。



人間は矛盾に満ちた存在です。_c0243877_11105671.jpg



水泳連盟はかれの無実を訴える記者会見に不快感を表明しました。

連盟の人が、かれといっしょに、その証拠とされる映像を見たということですが、そんなハッキリした証拠があるのになぜ富田選手は無実を訴えたでしょうか。

その映像は連続したもの(動画)だったのでしょうか。

わたしは、富田選手がパニックになったように、連盟もパニックになって、ことが大きくならない内に早々と認めたのではないかと思えてなりません。

悪しき事なかれ主義の典型です。

富田選手もそういう連盟の態度に反発するのではなく、迷惑をかけられないという気持ちに追い込まれていったのではないかと想像されます。



人間は矛盾に満ちた存在です。_c0243877_1117478.jpg



人を批判するのは簡単です。

だれにでもできることなのに、コメンテーターなどはそれが自分らの使命のように錯覚しているようです。

しかし、自分のこととなると、いかに人間は非合理な存在かということが分かるのではありませんか。

だれも、理屈に合った、筋道の立つような行動なんかしていないのです。


将来ある若者の人生です。

かれがそのときどれほどの恐怖を味わっていたか、

帰国後どれほど悩んだか

それくらい想像できなくてどうするのですか。



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by michi-no-yuri | 2014-11-07 11:16 | Comments(0)
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