先日、小澤征爾さんがテレビ局のインタビューに出演されたのですが、電車で来たということで普段も移動はほとんど電車だということでした。
話を聞いていて、電車を愛用されるのは、多分、人を見る(観察する)のが好きなのだろうと思いました。
わたしもそうなのですが、窓外の景色も見たいし、人も見たいということでいつも横座りになって忙しく首を動かしています。
小沢さんに言わせると日本人の乗客はほんとうにお行儀がいいのだそうです。
しかし、小沢さんの言いたいことはそのことではなく、婉曲な表現でしたが、お行儀はいいけど優しさが感じられないということだったのです。
ほんとうにそうなのです。
優しそうな人など滅多にお目にかかることがなくなりました。
小沢さんは優しさに憧れると言われました。
しかし、だれもが憧れる優しさなのに、人に期待する前に自分から優しくなろうと思う人はあまりいないようです。
もう、「優しさ」は死語になるかもしれません。
生活が厳しくなると、優しさなど望むべくもなくなるのは仕方のないことだからです。
娘とドライブしたおりなど、先を譲ってくれたり会釈を返してくれたりするドライバーに会うと娘と口々に「なんてスバラシイ人なんだろう」と感嘆の声をあげます。
そんなちょっとしたことで相手の人が100%いい人に思えてしまうのですから無邪気なものです。
しかし、このちょっとしたことが世の中をどれほど明るく幸せにしているかしれないのです。
どうでもいいことですが、きのうの新聞のテレビ欄の横の広告に、竹田恒泰さんの講演会の案内がでていました。
講演会のみだと4500円、昼食付だと9000円だということでした。
あんな人間の話をお金を払ってまで聞きに行く人がいることがほんとうに嘆かわしく情けない。
ただ、テレビに出ている人間だというだけでこういう商売が成り立つのですね。
今回は「太閤園」という民間会社の企画だからいいようなものの、もしこれが自治体の主催だとしたらとうてい納得はできません。
自治体はどうか市民の税金をそういうくだらないことに使わないでくださいね。
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