イラクから帰還後に自殺した28人の自衛隊員について、曽野綾子さんは、日本の若者が惰弱になった証拠だと言われました。
また、イラク派遣第一陣の指揮をとったヒゲの隊長こと佐藤正久さんは「必ずしもイラクが原因とは限らない」と言われました。
ヒゲの隊長という愛称で「いいおじさん」を演じたこの人物は、隊長として隊員に寄り添うのではなく、人気に便乗して権力に靡きました。
そして、いま、集団的自衛権行使の旗振りをしています。
売国ばかりではなく、隊員の「いのち」を権力に売ったのです。
これほど軍人精神に悖る行為があるでしょうか。
必ずしもイラクが原因とは限らないと言うのなら、引率者の責任として、なぜひとりひとりの隊員に会ってその胸中を聞こうとしなかったのですか。
サマワで何があったのか、ほんとうのことを言うことが隊員に報いることでもあるのに、かれはそういうことには一顧もせずにひたすら権力に魅せられていったのです。
わたしはもう何年も前から集団的自衛権を直観的に危惧していました。
アメリカの傭兵になることだと信じて疑いませんでした。
平和外交とか、全方位外交とか、なにを非現実的なトボケたことを言っているのかと賢しら顔をして嗤っていたかっての自分が恥ずかしい。
戦争がなかったのは、日米同盟と米軍基地が抑止力になっているからだと信じてきたことがそうではなかったことにも気が付きました。
海部元総理が、アメリカからの執拗な自衛隊派遣の要請を拒否できたのは平和憲法があったからだと言われました。
おそらく、アフガン派兵を要請された福田元総理も平和憲法をタテに抵抗されたのだろうと思われます。
平和憲法は立派に機能してきたのです。(なんだか涙がでそう、、)
なんということでしょうか。
日本の平和を根底から崩そうとしているのは、ほかでもない、日本を守っていることになっているアメリカでした。
いかに、アメリカが日本を戦争に引きずり込むことに執心してきたかを、二人の元総理の抵抗から窺い知ることができるのではありませんか。
集団的自衛権行使が成立すると、日本は丸裸になります。
もう日本を守るものがなにもないのです。
日本は戦争のできない国、戦争をしない国だということが世界に周知されていたのに、その信頼が水泡にきすことになります。
これほどもったいないことがあるでしょうか!
集団的自衛権が抑止力になるというのは詭弁もいいところです。
アメリカ自身がもう世界の警察官を降りると言って降りざるを得ないほどの状況になり、さらに、いろいろな嘘がオモテにでてきつつあるというときに、どうしてアメリカが抑止力になりますか。
もう、冗談にもなりません。
総理は就任から始まった積極的な外遊に、いつも軍需企業の人間を同行させていたそうです。
アメリカがもっとも神経を尖らせていたのはそのことだったのかもしれません。
また、今回の中南米訪問では、防災に関する技術や設備の売り込みに熱心だったということですが、
フクシマは「アンダーコントロール」にありますから、どうぞ安心して買ってくださいということでしょうか。
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