十八日、最高裁が取り調べの可視化の本格導入の発表をしましたが、現場では相変わらず否定論が根強く、導入が実現するのはいつのことかという感じです。
とくに、警察が抵抗しているようで、警察関係者の一人が「可視化が決まれば、別の捜査手法導入が交換条件だ」と語気を強めたということです。
別の捜査手法とは、察するに、盗聴、尾行、令状なしの家宅捜索などの違法捜査のことでしょうか。
可視化を導入すればこういう人権侵害まがいの手法をとらざるを得ないがそれでもいいのかと恫喝しているのかもしれません。
上賀茂
わたしは可視化しなくても録音だけで十分だと思っています。
「目は口ほどにものを言う」と言いますが、わたしは、むしろ「口は目ほどにものを言う」と思っているからです。
口では何とでも言えるのは事実ですが、しかし、発声や声の調子は実に正直にこころを表します。
ウソをつきません。
しかし、いかなる理由があろうとも録画、録音はすべきなのです。
冤罪を作ってはいけないからです。
疑わしきは罰せずというのは刑事裁判の大原則なのに、裁判所自らがその原則を踏みにじる場面をわたしたちは何度も見てきました。
そんなことはもう終わりにしてほしい。
残忍な犯行で世間を震撼させた栃木女児殺害事件ですが、続報がないのが不思議です。
マスコミも動いていないでしょう。
あれでもう犯人確定ですか!
過酷な取り調べに、もはやこれまでと観念してうその自白をしたばっかりに四十八年間も獄に繋がれた袴田さんが釈放された直後に、一人の青年が、悪名高い代用監獄といわれる留置所で数か月に亘って毎日取り調べを受けて、ついに自白に追い込まれました。
義父が早い時期から義理の息子を告発していたようです。
身内が言っているのだから確かだろうと言う人がいて、わたしは吃驚しました。
ほんとうの身内なら、告発するにしてももっと苦悩や逡巡があってしかるべきなのに、かれはマスコミの前で、義理の息子は善悪の区別も出来ないような人間だと吐き捨てるように言ったのです。
明らかに悪意が感じられました。
容疑者は母親と二人で露天商を営み、方々に出かけて商いをしていたそうです。
義父が何をしていたのか分かりませんが、普通に想像すれば、かれは妻と義理の息子から疎外されているという感情を持っていたとは思えないでしょうか。
容疑者は警察署からでてきたとき、カメラの方を見たのですが、その眼には怒りと抗議が込められていたようにわたしには見えました。
もちろん、こんな「印象」や「感じ」でかれを犯人ではないと言うつもりはありません。
人の印象なんてあやふやなものだからです。
しかし、警察のプロファイリングだってその程度のことです。
三重の女子中生殺害事件はそれ以上に理不尽です。
家が現場と近いというだけです。
アリバイがあっても家族の証言は採用されません。
しかるに、栃木の事件では家族の証言が最大限採用されたのです。
もうほんとうにメチャクチャです。
それというのも政治がそうだからです。
これだけは確かなことです。
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