わたしは改憲から護憲に変わった人間ですが、といって改憲にゼッタイ反対というわけではありません。
いま、改憲を言っている人たちが嫌いなのです。
はっきり言えば、安倍総理の下で改憲を言われるのがたまらなく嫌なのです。
虫唾が走るほど嫌なのです。
わたしは、これまで日本には平和憲法があったから戦後ずーっと平和でこれたなんてそんなバカなことがあるものか、日米同盟があったからだれも手出しをしなかっただけだと思ってきました。
しかし、いつのころからか、それは一面の真理であっても違う反面があるのではないだろうかと思うようになりました。
先日のニューステーションで、海部元総理が、アメリカからイラク派兵を執拗に要請されたが、わが国には(平和)憲法があるからと最後まで押し通したと言っておられました。
やっぱり、平和憲法の「おかげ」があったのです。
歴代の首相も、憲法を盾にアメリカの要求を突っぱねてこられた局面が再々あったのではないでしょうか。
それを安倍総理はすべて反故にしてしまったのです。
辛うじて身を守ってきた鎧を自ら脱ぎ捨ててしまったのです。
日本はもう身を守る何ものも失い、因幡の白うさぎ同然になりました。
ワニを騙したからではなく、自らの無知の報いとしてハダカ同然になりました。
日本がこんなことになるなんて誰が予想したでしょうか。
悪夢そのものです。
田舎のお蕎麦屋
わたしもこれまで石原慎太郎レベルの頭で、押し付けられた憲法はいくらなんでも駄目だろうとか思ってきたのですが、去年の天皇誕生日での陛下のお言葉にはっと我にかえったような衝撃を受けました。
陛下はその成り立ちをよくご存知だったのです。
占領下にあったとはいえ、日本人が主体となって、精魂を込めてつくりあげた結晶なのだということを。
皇后陛下が五日市憲法草案について触れられたのも、すでに明治において、さまざまな職業の市井の民間人によって現憲法の下地はできていたということを国民に知ってほしいと思われたのでしょう。
新憲法には北一輝の「日本改造法案大綱」などでの主張がすべてといっていいほど反映されていたということですから、決して外来のお仕着せの憲法ではないということだと思います。
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