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谷間の百合

taninoyuri.exblog.jp

秋山賢三という人。

NHKの森本キャスターが痴漢の容疑で逮捕されるという事件が起きました。
訴え出ないことを条件に早期釈放になったということなのか、経緯があまりにも不透明です。真相を明らかにするために、ぜひ裁判に訴えてほしいと思います。

きのう、チャンネルを換えているときに偶然、名張毒ぶどう酒事件を扱った「毒とひまわり」という映画に出会いました。
実写映像やインタビューを効果的に織り込んだ2時間半の見応えのある映画でした。
途中、元裁判官で今は弁護士をしておられる秋山賢三さんがインタビューのなかで言われたことがとても印象に残りました。
「(冤罪の死刑囚は)どんなに裏切られても、裏切られても裁判を信じるのですね。」
これを、秋山さんは声を詰まらせ、絶句し、閉じられた目から涙を滲ませながら言われたのです。
「信じるのですね」という言葉の続きは、とても残酷で口にできなかったのだろうと思いました。もう判決が覆ることはないなどということを人間としてどうして口にできるでしょうか。

言おうと思えば、司法の出鱈目さや裁判官の非人間性を言えたでしょうが、秋山さんは、わずかに、トイレに行くのも、エレベーターに乗るのにも、裁判長、右陪審、左陪審と順番が決まっているのだということを自嘲気味に笑って静かに言われただけでした。
他人の悪口が言えるひとではないのですね。

後で検索すると、痴漢事件について述べておられる動画がありました。
ご自分も弁護団の一人だった防衛医大教授が最高裁で無罪をかち取った後の発言です。

「警察は女性の証言だけで何の裏付け操作もしない。」
「きちっと被害者供述の信用性判断をしていれば捜査はすぐに改まった。」
「捜査は闇の世界で行われている。」
「証拠は捜査側だけが利用できて、被害者側はできない。」
「証拠というのは、公の貴重な共通の資料だというのがわれわれの理解。」


この無罪判決が出たのは、2009年4月14日のことで、6月25日に、なんと
警察庁は「痴漢捜査の見直しを全国の警察に通達した。」ということです。
判決文にそういう文言があったのでしょうか。それを受けて警察は形だけの通達を出したということでしょうか。
捜査の見直しとは、具体的にどのようなものだったのか是非知りたい。
警察はそれを国民に知らせる義務があります。

そのとき、秋山さんは独特な主張として次のように発言されたそうです。

「痴漢冤罪は、濡れ衣を着せられた男性の妻にも過度の精神的な負担を与えるので、女性保護の観点からも早急な解消の必要性が裏付けられる」

妻の精神的負担は想像するに余りありますが、しかし、夫婦は運命共同体的な存在でもあり、妻なら夫を信じて共に戦うことも可能ですが、問題は子どもなのです。
痴漢が報道されるたびに胸が痛くなるのが子どもへの影響です。
ハシシタ騒動のときは、親子は別人格だとか出自は守られるべきだと散々言われました。
ならば、痴漢事件においても同じことが言えます。
なぜ、親のことで、子どもが自分の人生に決定的なダメージを受けることが放置されているのでしょうか。

秋山さんが、捜査費用は国民の税金なのですと言われた言葉は、重いものです。
慎太郎のように、税金を湯水のように使い、自分は偉いのだからそれが当たり前だと思っているような人間とは同じ人間とは思えません。
そういえば、痴漢どころか、数々の破廉恥な事件を起こしながら、罪に問われることも、社会的制裁を受けることもなく、総理大臣にまで上りつめた男がいました。









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by michi-no-yuri | 2012-11-18 11:42 | Comments(0)
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