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谷間の百合

taninoyuri.exblog.jp

「悪とは鈍感なこと」と言ったのは野村克也さんでした。

「刺されて・・血を流し・・苦しんでる私を・・周りの人は無言で・・カメラやビデオに撮って>るんです。 誰も助けようとしません。 刺した犯人より・・ここにいる連中のほうが・・悪い>やつらに見え無性に腹が立ちました」

これは、「ラ・ターシュに魅せられて」というブログで取り上げられていたある事件の被害者のコメントです。
さらに、ブログ主様は、自らが体験したこととして
乗車率100%の車内で、若い男性が突然ドサッと倒れたのですが、周りのだれ一人として、声をかけるなどの行動をとった人間はいなかったと書いておられます。(もちろん、ブログ主様はその後、機敏な行動をとられています。)

大阪心斎橋の事件のとき、わたしはいたたまれない気持ちでした。切ないという気持ちを強力にしたような気持と言えば分かってもらえるでしょうか。
被害者が「助けてください!」と何度も叫んでいたということが頭から離れないのです。
普通の人なら誰だって凶器を持っている人間に立ち向かっていく勇気はありません。
しかし、犯人が馬乗りになって刺し続けている間にも、まわりの四方八方からものを投げつけて犯人の気を逸らすことができなかったのだろうかと思うからです。

事件の半月ほど前、わたしは、ほんとうに久しぶりに大阪に行き、あの近くに車を駐車させて、最初に歩き出したのがあの通りでした。周りは飲食店が多く、それらの店の中から、ものを投げつけることはできなかったのだろうかと。警察署は目と鼻の先にあったということですから、ほんの3分くらいのことだったのです。

過日、中国で、車に轢かれて道に倒れていた女の子を、見て見ぬふりで通り過ぎた人間が20数人もいたと、その映像が何回も流されて、驚きと非難の声があがっていましたが、日本人が上から目線で言えることでしょうか。

いつだったか、アパートで若い女性が殺された事件で、女性の助けを呼ぶ声や悲鳴を聞いていた人が複数いたのです。しかし、だれも動きませんでした。通報さえしませんでした。
突発的なことに対処できない、身体が動かないというのは何が原因なのでしょう。
もう、諦めるしかないのでしょうか。
どんなに助けを求めても無駄だということを肝に銘じるしかないのでしょうか。

しかし、わたしが経験したことはそうではありませんでした。
先日、車から降りようとして、足元に置いていた傘に足を引っ掛けて道路に転がり出たとき、すぐ、若い男性がかけつけて声をかけてくれました。
その前は、倒れた自転車から買ったばかりの大量の食料品が辺りに散乱したのですが、近くの若い夫婦が、一呼吸もおかず同時に駆け寄ってきて拾うのを手伝ってくれました。
わたしは、なんとスバラシイ人たちだろうと思い、家に帰ってからもしばらく感動が消えませんでした。

こういうのと殺人事件は違うと思う人がいるかもしれませんが、違わないのです。
まったく同じなのです。こういうときに体が動く人はいつでも動くのです。










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by michi-no-yuri | 2012-06-21 11:17 | Comments(0)
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